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2.超少子高齢化が経済社会に与える衝撃ー序章としての「年金機能改正法案」

日本の超少子高齢化が経済社会に与える衝撃が既に始まっています。日本の財政による社会保障給付は当然のことながら、医療費よりも年金給付が上回っています。

 

当然のことながら政府は、社会保障給付のうちの最大給付費目である年金給付の抑制に乗り出しています。例えば、政府が2016年の臨時国会に提出した「年金機能改正法案」(正式には、「公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案」)がそれです。しかし、大きな問題点が指摘されています。その問題点としては、

  1. 1.第一に、難しい役所の言葉ですが、「マクロ経済スライド調整制度」の強化、つまり、「超少子高齢化が進んだ場合」、年金給付額のカットや国民年金・厚生年金の保険料を増加させることです。このマクロ経済スライドについての厚生労働省・日本年金機構の公式的な説明を以下に、記します。
    「日本は急激な少子高齢化で、年金を受給する高齢者世代が増え、保険料を納める現役世代が減っています。これでは年金財政のバランスが悪くなります。そこで一定の期間、現役世代の減少や平均寿命が伸びた分を差し引いて、『物価スライド・賃金スライド』」のスライド率を調整する仕組みを『マクロ経済スライド』といいます。難しそうな名前ですが、社会が変化しても公的年金制度を維持できるように採用された仕組みです」
  2. 2.第二は、これまで公的年金制度の最大の特徴として「物価の変動にきわめて強い」ことがまず第一に挙げられてきました。つまり、インフレによってお金の価値が下がった場合でも、デフレによってお金の価値が上がった場合でも、年金の受給額の実質的な価値が変動しないように、年金受給額が定められていました。これが、民間の「個人年金」と異なる、公的年金制度の最大の特長でした。しかし、今回の「年金機能改正法案」では、①物価と賃金の両方が下落した場合は、下落した幅の大きい方に合わせて年金支給額を減額する②賃金が上昇しなければ、物価が上昇しても年金の給付額を賃金の下落幅に合わせて引き下げるというもの-です。これが、「年金カット法案」と揶揄される根拠です。

民進党(蓮舫代表)の試算によると、この法案を過去に適用すると、国民年金は年間約4万円、二階建て部分(給与に比例する比例報酬額)は年間約14万2千円も少なくなります。

第一次石油ショックをきっかけに1970年代初頭に初めて起こり、1990年台のバブル崩壊以降続いているスタグフレーション(不況下の物価上昇)が今後、深刻化すれば、65歳以上の年金受給者に深刻な打撃が与えられます。これに、超高齢化・少子化に伴う「マクロ経済調整制度」が加われば、国民生活は内需の不足で、スパイラル的に厳しくなります。本法案は、2016年臨時国会での与野党激突法案になっています。

公的年金制度は夫婦を前提に制度設計されているため、未婚の中高年男性・女性の急増や結婚の晩婚化の加速、出生率の低い数字での横ばい(による人口減少社会への以降)は、行き過ぎた「核家族化」と相まって、日本の経済社会の活力を減殺し、将来の日本に希望と誇りを持てなくなる若年世代が増大することは必至でしょう。

社会保障・社会福祉制度の充実とともに、効率の悪い核家族の行き過ぎを是正するとともに、経済社会の中核としての健全な家庭を育成するための制度・政策の強化が不可欠です。